去る平成28年11月20日、福井県産業会館において、「第21回全日本素人そば打ち名人大会」が開催され、今年も新たな名人が誕生しました。
今回は、その熱気ある大会の様子をご紹介させていただきます。
まずは開会式です。全国の予選を勝ち抜いた52名の選手が勢ぞろいし、本日の健闘を誓いました。選手宣誓は石川県の林 牧子 さんが行いました。
早速、競技開始です。1グループにつき13名、4グループに分かれて競技を行います。
まずは「水回し」。あまり目立ちませんが大変重要な行程です。ここでいかに均一にそば粉に水を回せるかによりその後の出来が左右されます。
慎重に、かつ、素早く、集中して取り組んでいます。
続いては「こね」。こね鉢のなかで形を整えながらこねあげます。
皆さん真剣な面持ちです。
次の工程は「のし」です。そば打ちの花形と言ってもよい工程です。
複数の麺棒を使いながら、広く、薄く、均等にのばしていきます。破れなど、ミスが出やすいのもこの工程です。
均一な美しい四角にのばすのは難しく、大変な技術が必要です。
最後は「切り」の工程です。麺の太さが均一になるように集中力が必要です。
しかし、ここまでくると集中力が切れたり、時間が気になってしまったりしてミスが出ることが多いです。
皆さん、最後まで集中して頑張ってください!
以上で、そば打ちの工程は終了!これらの工程を30分でこなさなければいけません。
また、本大会では、さらに技術以外の意気込み・服装・衛生面なども採点の対象としています。単に技術を高めるだけでなく精神面も、すなわち、「心・技・体」を併せて鍛える必要があります。ここがそば打ちの奥深いところです。
競技終了後には、エキシビジョンとして、高校生によるそば打ち披露を行いました。
福井県内から、科学技術高校、啓新高校、丸岡高校の生徒の皆さんに出場していただいたほか、今年は特別に、全国高校生そば打ち選手権大会で入賞した、群馬県利根実業高校の峰岸さんと、北海道中標津高校の尾上さんにそば打ちの技術を披露していただきました。
▼群馬県利根実業高校の峰岸さん。太い麺棒で力強くそばをのばしています。
▼北海道中標津高校の尾上さん。切りの姿が大変美しいです。
皆さん、普段の練習の成果を出し切って素晴らしいそば打ちを披露してくださいました。
ありがとうございました!
また、会場では福井県啓新高校の皆さんによる高校生そば店もオープンしており、こちらも大変な賑わいでした。
このような場を設けて、高校生がそば打ちをしているということを多くの方に知っていただくことで、若年層へのそば文化の普及・継承をすすめていきたいと考えています。
高校生の皆さん、一日お疲れ様でした!
さて、大会の締めくくりは今年の名人が発表される表彰式です。
鵜飼審査委員長の講評の後、7名の審査委員による厳正な審査の結果決定した入賞者が表彰されていきます。
そして、ついに名人の名前が読み上げられます。。。
第21代そば打ち名人は、 大阪府 岸本 直子 さん に決定しました!
当大会では史上3人目となる女流名人、そして、福井以西の西日本エリアでは初の名人誕生となります。
これまでなかなか名人が登場しなかった西日本でついに名人が誕生したことで、本大会の21年にわたる歴史に新たな1ページが刻まれた、素晴らしい大会となりました。
岸本新名人、そして、準名人以下入賞された皆さま、おめでとうございます!
残念ながら今回は福井からの入賞はなりませんでしたが、皆さん健闘してくださいました。
次回こそは是非福井から名人がでることを願っております。
次回大会も熱い戦いが繰り広げられることを期待しております。